6月13日(月)朝会の話

6月13日(月)朝会の話

今日は、朝から雨の中、沢山荷物を抱えた子をたくさん見ました。遅れずに朝会に参加してくれました。また、柔道と剣道で表彰伝達を行いました。二人ともよく頑張りました。

さて、今日は何の日でしょうか。今日は、小さな親切運動が始まった日です。1973年に東京大学総長の茅氏の呼びかけで集まり、始まった運動です。「できる親切は、みんなでしましょう。それが当たり前の世の中になるよう、人を信じましょう。人を愛しましょう。人に尽くしましょうう。」を合い言葉に現在も続けている運動です。

私は、この話を知って、ずっと前に観た「ペイフォワード」いう映画を思い出しました。現代は、「PAY IT FORWARD」です。

子どもに話したあらすじは、こうです。(ちょっと背景は、子ども用にやさしく表現しました。)

母親と二人暮らしの中学1年生のトレバー君。母親は、一生懸命働いていますが、そのため、トレバー君は、さみしい思いをします。しかし、めげずに学校に毎日通っています。そんなある日の社会の時間、先生からこんな問題を出されます。

「もし、自分の手で世界を変えたいと思ったら、何をする?」

数日後、発表の時、いろいろな子が、子供らしいいろいろな発表をしました。そんな中、トレバー君は、こんな考えを発表しました。

「自分が3人の誰かに対して、自分で解決できないことを僕が助けてできるようにしてあげる。相手から何ももらわない代わりに、次に別の3人の人に同じように、してあげてほしいと言う。それがどんどん繋がって行けば、世の中は、変わる。」

これを聞いたクラスメートは笑います。「そんなことできるわけがない。」

でも先生は、「面白い!」と褒めてくれました。

トレバー君は、それから3人の人を選び、その人が自分で解決できないことを、助けてできるようにしようといろいろと工夫します。家の近くで職に就かず、ホームレスとなっていた男の人を家に呼んで、食べ物を与え、自分の小遣いで服を買い着せてやりました。そして、それで会社に面接に行って、なんとか仕事も見つかりました。でも、結局仕事から逃げてしまい、トレバー君は、落ち込みます。二人目は、問題を出した社会の先生を助けようとしました。この先生のことをトレバー君は、気に入っていました。先生は、子どもの時に大きなやけどを負い、結婚できずにいましたので、自分の母親と仲良くできるようにしたのですが、上手くはいきませんでした。3人目は、いじめに遭っているクラスメートを助けようとしましたが、勇気が出ずに救えませんでした。せっかくいい考えだと思ったことが、うまくいかず、トレバー君は、やっぱり無駄だったのかなと思います。

ところが現実は違いました。

ホームレスの男性は、一度は逃げてしまいますが、その途中、橋の上から飛び降り自殺をしようとする女の人に出会い、必死になって説得して、命を助けました。

社会の先生にしたことを知ったお母さんは、今度は、けんか別れしていた自分の母親(トレバー君の祖母)と仲直りをします。そして、その母親は、町で人に追いかけられて困っていた人を助けます。その追いかけられていた人は、けがをしてしまい、病院へ行きますが、そこで自分より後に父親と一緒に病院に来た喘息に苦しむ女の子に出会い、出血している自分のことは後でもよいから、先にその子を看てやれと看護士さんに訴えます。その子の父親は、その後、道で車が壊れてどうしようもなくなってしまった男の人に自分の車の鍵を渡し、「君が使い給え」と言います。

このように、トレバー君の思いは、確実に人々に繋がっていたのです。

実は、このような考えを日本では、古くから「恩送り」と言っていました江戸時代からというから、300年くらい前からそんな考えがあったということです。何かをしてもらったらその恩は、別の人に送っていく。それがどんどん広がれば、みんなが住みやすい幸せな世の中になる。昔から、洋の東西を問わず考えられているんですね。

学級も学校も4月から2ヶ月が過ぎました。どんな学級に学校になっていますか。今よりもっといい学級、学校にするための方法として、この恩送りは、素晴らしい方法ではないでしょうか。一日一つ、小さな事でもよいので人に親切にする。そして、親切にしてもらったら、それを二人以上の人に恩を送って親切にしていく。こんな繰り返しができると来年の今頃は、すごく楽しい、いい学級、学校になっているでしょうね。皆でやってみましょう。

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