令和元年度 夏休み科学部活動日誌【その2】
いきなり向きが悪くて申し訳ありません。椅子の上にあるボウルから椅子の下にあるボウルへ,ホースを使って水を移動させている様子です。いわゆるサイフォンの原理の再現ですが,水槽の水換えや石油ストーブへの灯油の補給,愛知用水の水の移動等,実は様々な所で活用されているものです。実験自体は簡単ですが,いざやってみようとすると難しいところもあります。家庭で再現するならば,お風呂のお湯をホースで外へ流すだけの簡単な実験になります。
次は,前回名前だけ挙げた「蒸気エンジンによる車の走行」です。
見た目はともかく,車にエンジンを載せてみました。後輪とエンジンが輪ゴムによって接続されています。廊下へ持って行って,いざ試運転!というときに,実験の様子を見ていた別の生徒が異常を発見しました。
上の写真からわかりますか?
実は,ボイラーとピストンを結ぶシリコン管に亀裂が発生していたのです。とりあえず該当箇所を切り取って再接続することで事なきを得ました。こういう時に的確な指摘ができることがすばらしいですね。では,仕切り直して蒸気エンジンを始動させます。
…
…
…
…動きません。
出力が低いのか,それとも輪ゴムがうまく動かないのか。タイヤの空転はできるようなので,輪ゴムの長さを調整して再挑戦です。この試行錯誤こそ実験の醍醐味ですね。
実際の研究活動でも,数多くの×を拾って「このやり方は違う」を確認し,最終的に「このやり方ならいける」を探し求めることになります。以前にニュースになった「血液の培養に最適な培養液が,実は身近な水のりにあった」ものは,本当の意味で「しらみつぶし」に様々な素材を試した結果のようです。正答を求めることができるだけではなく,正答へたどり着くための道筋を自ら探すことが求められる昨今,こういった体験も重要だと考えています。